39・旧目加田家住宅国・重要文化財
岩国市横山二丁目にある桁行16.4m、梁間11.6m、一部二階の入母屋造り桟瓦葺の武家住宅である。南側に玄関があり、北面に風呂場が付いている。目加田家は岩国吉川藩士で、幕末頃には170石取りであったという。この住宅は18世紀中頃の建築とみられ、西側に二階屋を増設しているほかは改造が少ない。正面東寄りには式台が設けられ、東端の仲間部屋の格子窓などとあわせて、武家住宅らしい形式をつくっている。式台を上がると玄関の間である。その後に台所など3室があり、上手は中廊下をはさんで、前後に2室づつ配される。背面の2室の上には二階が設けられている。総体に木割が細くて建ちは低い。柱を比較的こまかく立てて、建具はあまり用いない。この住宅は簡素であるが、端正な意匠であって、保存状態の良い本格的な武家住宅として貴重である。
特徴ある
両袖瓦 (りょうそでがわら) と平瓦を使用した二平葺き (にひらぶき) は岩国の瓦師が考案したと言われ、岩国城下町に見られた地方色です。